Microsoft Azureを使ってクラウド上にWebサイト(WordPress)を作る方法(この通りやれば出来る方法)


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Microsoft Azureを使ってWordPressのWebサイトを作った。

Azureの操作とOSのセットアップなどを最初から最後まで記載されているサイトが無かったのでここに記す。

Azureを使うと確かにWebサイト構築が簡単になるが、それでもIT初心者がサイトを構築するのには敷居が高い。

また、Googleで検索してもパーツパーツは出てくるが、それをどう組み合わせれば良いのかが分からないことが多い。

構成について

今回は以下の構成となる。

この記事で実現されるシステムのアーキテクチャスタック(Microsoft Azure WordPress)
この記事で実現されるシステムのアーキテクチャスタック(Microsoft Azure WordPress)

基本的に以下の手順通りに実施すればインストール型のWordPressが構築出来る。

WordPressのインストール型とレンタル型の違いについて

この記事を読んでいる人は、WordPressを自前でインストールしようとしている人だと思う。

恐らくレンタル型とインストール型のメリット・デメリットをある程度分かっていると思われるが、念のためおさらいを。

ちなみにインストール型とかレンタル型とか言っているのはWordPressのことを指しており、インストール型WordPressを用いる場合も普通の人ならサーバはレンタルして使うこととなる。

(サーバ機とルータを用意してGlobal IP(固定IP)を用意して自宅などに環境を構築する人は別だけど、この場合は連続運転させても大丈夫なサーバ機が高いのと、万一の火災を防止するためにホコリの出ない環境を作る必要があり、結局は高い費用が発生する上にリスクが高いと考える。)

項目 レンタル型WordPress インストール型WordPress
構築の難易度
広告の挿入 不可
独自ドメイン 可(オプション)
CSSのカスタマイズ 可(オプション)
テーマの追加 可(オプション)
プラグインの追加 可(オプション)
費用

無料から可

(オプションにより費用発生)

サーバ費用1,000円くらいから

(まともなスペックなら例えば3,000くらいになることが多い)

 

上記のように、インストール型のデメリットは構築にある程度のスキルが必要なことと、必ずレンタルサーバ費用がかかることであるが、何でも出来るという大きなメリットがある。

例えばレンタル型でサイトを始めてみたら思ったより楽しくなって、アフィリエイトを追加したり広告を表示したりして収益化したくなったとか、プラグインを使って見た目をかっこよくしたいとかトラフィックを把握したいとか思ったときに、レンタル型では全てに対応することは出来ないため、インストール型に移行したくなる。

インストール型への移行にはDBデータの移行が必要になるが、レンタル型ではそれは難しい。

ただ単に履歴のような感じでブログを活用したい人はレンタル型で充分であるが、広告を表示したりアフィリエイトをしたい場合には最初からインストール型にしないといけない。

細かくは以下のサイトが参考になると思う。

https://serverkurabe.com/wpcom-and-wordpress/

かかる費用について

今から紹介する方法はMicrosoft Azureを用いてWordPressを構築するわけだが、その他にドメイン費用がかかる。

この後の構築手順にでてくるが、どの仮想マシンサイズを選択するかでAzureの費用は変わる。

まず初期の時点では運用に問題が出ないであろう、A1 Basic(1コア, 1.75GBメモリ, 30GB SSD)の場合で、仮にお名前.comで「.com」ドメインを取得したとすると以下の通りになる。

項目 費用(月額) 費用(年額)
ドメイン費用(お名前.com) 45円 539円
Microsoft Azure費用(A1 Basicプラン) 2,656円 31,872円
2,701円 32,411円

 

構築手順

ここから、Microsoft Azureを用いたインストール型WordPressの構築方法を記載していく。

Azureを使ったWordPressの構築方法は以下の2種類が少なくとも存在するが、今回は至極簡単なMarketPlaceからのWordPress自動構築法を記載する。

  • 手動構築法:Ubuntuインストール->Apache2インストール->PHPインストール->MySQLインストール->Apache設定->PHP設定->MySQL設定->WordPressインストール->WordPress設定
  • 自動構築法:Azure MarketPlaceでWordPressを選択して画面に従い操作して完結

 

1.お名前.comでドメインを取得

お名前.comにアクセスしてドメインを取得する。

詳しいやり方はググればいくらでも出てくるので割愛。

2.Microsoft Azure Portalにログイン

Microsoft Azure PortalにSign Upし、ログインする。

AzureへのSign Upやサブスクリプションの購入などについてはググればいくらでも出てくるので割愛。

ログインすると以下のような画面が表示される。

Azureログイン後のまっさらな画面
Azureログイン後のまっさらな画面
 

3.WordPressアプリケーションを追加

画面左上の「+」ボタンを押すと検索ボックスがでてくる。

そこに「WordPress」と入力してEnterを押すと、Bitnamiが提供するWordPressが出てくる。

このWordPressを選択すると右側にウィンドウが表示されるので、ここの「作成」ボタンを押す。

Azure MarketPlace検索画面
Azure MarketPlace検索画面

4.仮想マシンの基本設定

画面が切り替わり、仮想マシンの基本設定を入力することになる。

以下のように入力する。

 名前:好きな名前を入れる。自分がわかればそれで良い。

 VM ディスクの種類:HDDでもSSDでもどちらでもよい。

 ユーザー名:ここに入力したユーザ名が、OSのユーザ名となる。

 (ちなみにここで自動インストールされるLinuxディストリビューションは「Ubuntu 14.04.05 LTS Trusty Tahr」である。(2016/12/6時点))

 認証の種類:SSH公開キーかパスワードを選ぶ。自分はどこからでも手間なくアクセスできる、パスワード方式を選ぶ。

 パスワード:パスワード認証を選んだ場合、ここに英大文字、英小文字、数字の3種類を含んだ12文字以上のパスワードを決めて入力する。

 パスワードの確認:上と同じものを入力する。

 サブスクリプション:自分が購入したサブスクリプションを選択する。

 リソースグループ:好きな名前を入れる。自分がわかれば良い。

 場所:リストから選ぶが、初期状態で良いと思う。別な場所を選ぶと、サブスクリプションによってエラーとなる。

入力後、画面下の「OK」を押す。

Azure 仮想マシンの基本設定入力画面
Azure 仮想マシンの基本設定入力画面

5.仮想マシンサイズの選択

この画面では仮想マシンのサイズを選択する。

初期表示されているのは「お勧め」だが、右上の「すべて表示」を選択すると数十個のプランが表示される。

しかしどれも高く、特にこだわりが無ければ「A1 Basic」または「A1 Standard」で良いと思う。

ちなみにここに表れる「0.75GB」とか「1.75GB」というのはメモリサイズであり、Diskサイズではないので注意。

Diskサイズはどれを選んでも30GBが確保されている。後で追加購入はいくらでも可能。

決めたら選択して画面下の「選択」ボタンを押す。

Azureの仮想マシンサイズの選択画面
Azureの仮想マシンサイズの選択画面

6.オプション機能の構成画面

いろいろとオプションの設定が可能だが、あとで変更できるし変更しないといけないMustなものは無いのでそのまま画面下の「OK」を押す。

Azure オプション機能の構成画面
Azure オプション機能の構成画面

7.概要の確認

今まで入力や選択した内容の概要が表示される。

特に問題無ければ画面下の「OK」を押す。

Azure WordPressインストールの概要画面
Azure WordPressインストールの概要画面

8.価格を確認

選択した仮想マシンサイズに対応した料金が表示される。

「A1 Basic」は前の画面で2,656円と表示されていたが、ここでは時間単位の金額が表示される。

表示されている3.57円/時を744倍(24時間×31日間)すると同じ金額になる。

問題無ければ使用条件を確認して画面下の「購入」を押す。

Azure プランの詳細と購入画面
Azure プランの詳細と購入画面

9.ダッシュボード画面

ダッシュボード画面に勝手に遷移する。

右側には「WordPressをデプロイしています」とのメッセージが表示されている。

だいたい10分くらいでデプロイが完了するので待つ。

Azure WordPressデプロイ中の画面
Azure WordPressデプロイ中の画面

10.WordPressデプロイ完了とIPアドレスの静的割り付け

デプロイが完了すると作成したリソースグループの概要が画面に表示される。

この画面中に「パブリックIPアドレス」が表示されているが、このIPアドレスは動的に割り付けられている。

つまり、仮想マシンの再起動後などに、異なるIPアドレスが割り付けられてしまう可能性がある。

それではこの後に行うドメイン名との紐付けに影響が出てしまうので、静的割り付けに変更していく。

Azure WordPressデプロイ完了後の画面
Azure WordPressデプロイ完了後の画面

まずは上記画面中のIPアドレスを選択する。上記画面では「40.40.40.140」の部分。

すると以下のように「構成」が選択されていて、右側の「割り当て」が「動的」になっているのが分かる。

 

Azure パブリックIPアドレス画面(動的)
Azure パブリックIPアドレス画面(動的)

それでは困るので「静的」をクリックして、画面右下の「OK」を押す。(この画像では切れてしまっています。)

Azure パブリックIPアドレス画面(静的)
Azure パブリックIPアドレス画面(静的)

11.TeratermでSSHログインしてみる

このタイミングでは必須ではないが、今後使うため、TeratermでSSHログインをしてみる。

Teratermがインストールされていない場合は以下のURLからインストーラをダウンロードし、インストールを実行する。

窓の杜のTeratermダウンロードページ

以下のようにAzureの画面に表示されていたIPアドレス(「10.WordPressデプロイ完了とIPアドレスの静的割り付けで操作していたIPアドレス。この記事中では40.40.40.140)を入力し、Port番号には「22」、Serviceは「SSH」が選択されていることを確認し、「OK」を押す。

AzureへのTeratermログイン画面
AzureへのTeratermログイン画面

するとUserNameとPassPhraseを入力する画面が現れるので、「4.仮想マシンの基本設定」で決めたユーザ名とパスワードを入力して「OK」を押す。

TeratermでのAzureへのログイン認証画面
TeratermでのAzureへのログイン認証画面

すると以下のようにログインが完了する。

試しにdf -kと打ってみると、root mount point(「/」の部分)に約30GBが割り当てられていることが分かる。

 

12.サイトにアクセスしてみる

次に、ブラウザから仮想マシンへアクセスしてみる。

10.WordPressデプロイ完了とIPアドレスの静的割り付けで操作していたIPアドレス(この記事中では40.40.40.140)をブラウザのURL入力部分(一番上の部分)に入力し、Enterを押す。

そうすると以下のような画面が表示されるはず。

無事、これまでで構築したWordPressにアクセスできたことになる。

Azure上のWordPress初期画面
Azure上のWordPress初期画面

13.IPアドレスとドメイン名の紐付け

次に、IPアドレスとドメイン名の紐付けを行う。

まずはお名前.comお名前.comにアクセスし、右上の「ドメインNaviログイン」を押す。

すると以下のような画面に遷移するので、「1.お名前.comでドメインを取得」で使った会員IDとパスワードを入力してログインする。

お名前.com ドメインNaviログイン画面
お名前.com ドメインNaviログイン画面

次に、画面上部のタブから「ドメイン設定」を選び、真ん中らへんにある「DNS関連機能の設定」を押す。

お名前.com ドメイン設定タブ
お名前.com ドメイン設定タブ

次に、設定を変更するドメインを選んで「次へ進む」を押す。

この記事中では「tokyo.com」とする。

お名前.com ドメイン一覧画面
お名前.com ドメイン一覧画面

次に、画面真ん中らへんにある「DNSレコード設定を利用する」ボタンを押す。

お名前.com DNS関連機能設定ー機能一覧
お名前.com DNS関連機能設定ー機能一覧

ここで、Azure上で構築した仮想マシンのIPアドレス(この記事中では「40.40.40.140」)とドメイン名の紐付けを行う。

画面上でホスト名に「@」、TYPEに「A」、TTLに「3600」、VALUEに「40.40.40.140」、状態は「有効」を入力して、「追加」ボタンを押す。

同じ要領で、ホスト名に「www」、他は上記と同じ入力をして、「追加」ボタンを押す。

お名前.com DNSレコード設定画面
お名前.com DNSレコード設定画面

そしてこの画面を下にスクロールして、DNSレコード設定用ネームサーバ変更確認のチェックボックスには印を付けたままの状態で、「確認画面へ進む」を押す。

お名前.com DNSレコード設定画面(2)
お名前.com DNSレコード設定画面(2)

そして確認画面の内容を確認し、「設定する」を押して、DNS設定は完了。

ここまでで、Azureの仮想マシンのIPアドレスとドメインが紐付けられた。

お名前.com DNSレコード設定画面(確認)
お名前.com DNSレコード設定画面(確認)

この時点で試しにドメイン名をブラウザのURLに入力してEnterを押しても、何も表示されない、というか、以下のようなエラー画面が表示されるはず。

DNSレコードが世界中に拡散するまでは最大で72時間ほどかかる可能性がある。

実際には、30分もすれば更新されているので、それくらい待ってからアクセスしてみることにする。

ブラウザのDNSエラー画面
ブラウザのDNSエラー画面

14.WordPress管理コンソールへのログイン

ここからはWordPressの設定を変更していく。

まずはブラウザのURL入力部分にIPアドレス(この記事中では「40.40.40.140」)を入力してEnterを押す。

Azure上のWordPress初期画面
Azure上のWordPress初期画面

次に、この画面の右下にある「Manage」のあたりを押す。

すると以下のような画面になるため、まずはこの画面中の「Username:」の右に表示されているユーザ名を記録しておく。

この画面では「user」であることがわかる。

そして「Login」のリンクを押す。

Azure上のWordPress Manage画面
Azure上のWordPress Manage画面

次に、Azure Portal上のダッシュボード(Azure Portalにログインした状態で画面の一番左上の「Microsoft Azure」を押すとダッシュボードにいける)から、仮想マシンを選択する。

以下の画面例では「すべてのリソース」ペインの一番上にある「Park 仮想マシン」を選択する。

Azure ダッシュボード画面
Azure ダッシュボード画面

そして左側のバーを下にスクロールし、「サポート+トラブルシューティング」のカテゴリにある「ブート診断」を選択する。

すると右側にずらずらと英語のテキストが表示されるので、この部分を下にスクロールしていくと、以下の画面のように「Setting Bitnami application password」が記載されている。

これが初期パスワードなのでPCのクリップボードに記憶させておく。

Azure ブート診断画面
Azure ブート診断画面

そして先ほどの「Login」を押した後の以下の画面でユーザ名とパスワードを入力して画面右下の「Log In」ボタンを押す。

Azure上のWordPressログイン画面
Azure上のWordPressログイン画面

すると以下のような画面に遷移するはず。

ここまででWordPressの管理コンソールへのログインが完了。

Azure上のWordPress管理コンソール画面
Azure上のWordPress管理コンソール画面

15.管理コンソールでまずやっておきたいこと

ここからまでくればあとは一般的なWordPressの操作になるため、この記事で書くつもりはない。

ググってくれればいくらでもWordPressの初期設定は記事がでてくるので。

しかしまずやっておきたい2つのことだけここに記載しておく。

言語をEnglishから日本語にすることと、デフォルトユーザのパスワード変更とユーザ追加である。

まず先ほどの管理画面の左下、[Setting]->[General]を選択する。

WordPress英語の管理画面
WordPress英語の管理画面

Generalメニューの一番下に行くと、「Site Language」があるので「日本語」を選択して「Save Changes」を押す。

WordPress英語の管理画面から言語を日本語へ変更
WordPress英語の管理画面から言語を日本語へ変更

これで日本語化されるので随分読みやすくなった。

次に[ユーザ]->[ユーザ一覧]と進み、あとは見た感じで分かると思うので割愛するが、デフォルトの「user」ユーザのパスワード変更と、自分のユーザを管理者権限とかで追加する。

あとはいろんなサイトを見ながらWordPressを使ってください。

 

(※この記事中に記載されているドメイン名、IPアドレス、パスワードは全て記事用に加工してあり、ダミーです。)

 

以上。

 


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